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消滅と再生の遊戯
──長谷雄草子の映像と時間──

安東民兒 著
(デジタルハリウッド大学院大学教授/阪大・文学修士)

590頁 A5判 上製
定価 本体6800円
ISBN4-9900882-6-3 C1070

 今は昔、学九流にわたり芸百家に通じ、世に重くせられた紀長谷雄という公卿が、ある日の夕さる忽然と現われた一人の男と、朱雀門の楼上で双六の勝負を挑まれたのでござゐます。

 勝った長谷雄が手にした女というのは死人の良い所どり≠して作られた人造人間だったというではありませんか。しかも、親しく覚えて女犯に及んだところ、女はたちまちにして水となって溶け失せたのでござゐます。かつてこのような物語がござゐましたでしょうか。

 王朝時代を舞台に繰り広げられた、奇にして怪なこの物語を、これでもかこれでもか、と追求し、解明しようと試みたのが本著でござゐます。あなたはきっと本著の虜になること間違いござゐません。 (著 者)


志茂田景樹氏 推薦文
三國連太郎氏 推薦文

読めば読むほど引きずり込まれます
志茂田景樹(しもだ かげき/作家)
 長谷雄草紙(永青文庫;重文)は、平安時代前期に実在した紀(きの)長谷雄(はせお)という人物が、「見目も姿も、心ばへも、足らぬ所なく思(おぼ)さむ様ならむ」絶世の美女を賭物として鬼と双六の勝負をし、手に入れた女が水となって流れた、という中世説話絵巻のなかでもひときわ異彩を放つ奇想の物語です。闇夜の朱雀門を舞台に繰り広げられるこの物語の奥底には、さまざまな“謎”の仕掛けが用意されており、これまでも幾人かの研究者がこの“謎”の解明に挑戦してきましたが、本書ほど多角的、かつ複眼的に掘り下げた論及をぼくは知りません。

 各所に散りばめられた斬新な着想、膨大な量の諸史料の渉猟、幾つもの“謎”に立ち向かう旺盛な好奇心と透徹な知見。まさに中世・王朝時代を縦断してつづられた本書は、400字×1200枚という労作であることもさることながら、コチコチの学術書というにとどまらない壮大な歴史サスペンスの感さえただよう労作にして快心の出来映えで、ぼくにとって久々に座右の一書に加わるものです。是非、ご購読をお薦めいたします。


絵巻に潜む虚像と実像
三國連太郎(みくに れんたろう/俳優)

 わずか五段に成る物語を追いつゞけて一篇の物語になっていると理解しました。

 中世・王朝の文献を渉猟した、作者の執念に感動のエールを送ります。
推薦文は毛筆で認めてくださいました


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